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仙台高等裁判所 昭和26年(ネ)227号 判決

控訴人一行は別紙第一物件目録<省略>記載の建物につき、控訴人等は別紙第二物件目録記載の建物につき、各右建物が被控訴人の所有であることを確認し且それぞれ右建物につき被控訴人に対し所有権移転登記手続をせよ。

訴訟費用は本訴及び反訴につき第一、二審共控訴人等の負担とする。

二、事  実

控訴代理人はその控訴にかかる本訴につき「原判決中控訴人等敗訴の部分を取消す、別紙第一物件目録記載の建物は控訴人一行の、別紙第二物件目録記載の建物は控訴人等の所有であることを確認する、被控訴人は控訴人一行及び控訴人等に対し昭和十八年九月一日以降建物明渡済まで一箇月金百八円の割合による金員を支払え、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする」との判決及び金員支払部分につき担保を条件とする仮執行宣言を求め、被控訴人の附帯控訴にかかる反訴につき本案前において附帯控訴却下の判決、本案につき附帯控訴棄却の判決を求めた。被控訴代理人は右本訴につき控訴棄却の判決を求め、右反訴につき主文第二、三項同旨及び反訴の訴訟費用は第一、二審共控訴人等の負担とするとの判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は、本訴及び反訴につき、控訴代理人において、

一、原判決摘示の控訴人等の主張事実中(原判決書二枚目表四行目)「亡父訴外五十嵐政吉の所有名義にしていたところ」とある点は誤記であるからこの点を除く。同じく(原判決書二枚目表十行目以下)「昭和十三年十一月十九日一行が原告ハル、訴外五十嵐一英等と共に政吉の戸籍より分家した際第一の建物を一行の所有第二の建物を一英の所有とすることに定めた」との趣旨は、右建物はいずれも控訴人一行の所有であつたが政吉の戸籍より分家の際第一の建物はこれを控訴人一行の所有とし第二の建物はこれを控訴人一行から一英に贈与して一英の所有とするところに定めたとの趣旨である。控訴人等従前主張の本件建物の賃料一箇月金百二十円とした点を一箇月金百八円と訂正する。従つて請求の趣旨を右の範囲で減縮する。

二、原審における原告(反訴被告)五十嵐ハルは昭和二十六年四月十五日死亡しその子である控訴人等においてその相続をした。五十嵐政吉は昭和十九年十月二日死亡し五十嵐一也においてその家督相続をしたものである。

別紙第一物件目録記載の建物は控訴人一行名義で、第二物件目録記載の建物は右ハル名義でいずれも昭和二十三年十二月二十五日保存登記を経由したものである。控訴人等より被控訴人に対し昭和二十三年十二月二十七日した控訴人等主張の催告及び通知は即日被控訴人に到達したものである。

三、別紙第一及び第二物件目録記載の建物につき家屋台帳に登載のための届出は政吉が控訴人一行及び一英に代つてしたものである。右建物を最初賃貸した日が昭和十年十月二十六日であることは争わない。

四、被控訴人の附帯控訴は反訴について提起されたものであるが、反訴は本訴から独立した別個の訴であるから、右反訴についての控訴申立期間をすでに経過していることが明である以上、本件附帯控訴は不適法として却下さるべきものである。

と述べ被控訴代理人において、

一、原判決摘示の被控訴人の主張事実中(原判決書五枚目表九、十行目)「売買契約当時本件建物が名義人たる一行一英が出征中で印鑑証明が得られないので未登記であつた為」とあるのは「売買契約当時本件建物は未登記であつたが、その後磐城炭礦株式会社と入山採炭株式会社とが合併して新に被控訴会社が設立されるに至り被控訴会社は書類上これを整備しておく必要ありとして登記手続をしようとしたところ、偶々一行一英が出征中でその印鑑証明を得られなかつたため、本件建物について売買による所有権移転登記手続をし得なかつた」との趣旨であるから訂正する。同じく(原判決四枚目裏一行目)「右建物中半分(四戸建一棟八戸建二棟)を一行に他の半分(同右)を一英に名義変更」云々とあるのは別紙第一物件目録記載の建物を一行に第二物件目録記載の建物を一英に名義変更との趣旨である。本件建物の賃料が一箇月金百八円であつたことは認める。

二、控訴人等主張の前示二の事実はいずれもこれを争わない。なお五十嵐一英の死亡によりその母ハルが遺産相続をしたことは争わない。

三、別紙第一及び第二物件目録記載の建物を磐城炭礦株式会社が賃借した日は昭和十年十月二十六日である。

と述べた。

<立証省略>

三、理  由

先ず本訴について判断する。

(一)  五十嵐政吉が五十嵐一也、五十嵐一英及び控訴人等の父であること、右政吉は昭和十九年十月二日死亡したので長男である右一也において家督相続をし、右一英は昭和二十三年五月十八日死亡したので母五十嵐ハルにおいてその相続をしたが、右ハルは昭和二十六年四月十五日死亡したのでハルの子である控訴人等においてその相続をしたこと、及び被控訴会社は昭和十九年三月磐城炭礦株式会社と入山採炭株式会社と合併して設立された会社であることは、いずれも当事者間に争がなく、五十嵐政吉が昭和十年十月二十六日磐城炭礦株式会社との間にその実質上の賃貸人が誰であるかは別として政吉名義をもつて別紙第一及び第二物件目録記載の建物を賃貸する契約をしたことは被控訴人の争わないところであつて、成立に争のない甲第八号証の三によると、控訴人一行は昭和十三年十一月十九日母ハル及び弟一英と共に右政吉の戸籍から分家したことが認められる。

しかし別紙第一及び第二物件目録記載の建物が当初から控訴人一行の所有であつて、その後右分家の際控訴人一行から一英に対し第二物件目録記載の建物の所有権を贈与により移転した事実については、原審証人浜崎善三郎及び佐々木芳一の各証言を綜合して成立を認める乙第一、二号証、原審及び当審証人浜崎善三郎、五十嵐一也、佐々木芳一、原審証人根本正尾の各証言に対比すると、原審及び当審における控訴人一行並びに当審における控訴人テル子の各本人尋問の結果はこれを採用し難く、成立に争のない甲第一乃至第四号証の各一乃至三、第五号証の一、二、第六号証の一乃至六、第十号証の一、二によつても未だ右事実を認め難く、当審証人五十嵐一也の証言により成立を認める乙第三号証によつて認められる前示建物賃貸契約の賃貸人名義が昭和十七年八月政吉から一行及び一英名義に変更されたことによつてもこれを認め難く、他にこれを認めるに足る証拠はない。却て右対比に供した証拠を綜合すると、被控訴会社の前身である右磐城炭礦株式会社は、昭和十年頃さきに同会社に勤務した関係にあつた右五十嵐政吉に対し、同会社所有の福島県石城郡内郷村大字白水字大神田所在の土地(前示建物の敷地)を無償で提供して右地上に建物を建築させこれを同会社に鉱夫住宅として賃貸させることとした結果、政吉はその頃右地上に別紙第一及び第二物件目録記載の建物を建築したこと、政吉は右建物の建築費用として約金五千円を要するものとし、当時政吉と別居して歯科医を開業していた政吉の長男で控訴人等の異母兄に当る五十嵐一也に相談して、右建築費用に充てるため一也の保証の下に右会社の職員共済組合から金二千五百円を借入し、なお一也からも一部出金させたこと、及び右政吉は昭和二年十月二十六日右会社に対し右建物を同年十月三十日までに礦夫を収容できるように建築するものとし、昭和十年十一月一日より賃料一箇月金百八円に定めて賃貸したことを、いずれも認めることができ、右事実に徴すると、右建物は当時政吉の所有であつて同人がこれを右会社に賃貸したものであることが認められる。

よつて控訴人等主張の右建物が当初から控訴人一行の所有であつてその後右建物のうち別紙第二物件目録記載の建物の所有権を控訴人一行から一英に贈与により移転したことを前提とする控訴人等の主張は、この点において理由がない。

(二)  次に、昭和十三年十一月十九日控訴人一行が母ハル弟一英等と共に分家したこと及び昭和十七年八月前示建物賃貸借契約の賃貸人名義が政吉から一行及び一英名義に変更されたことは前示のとおりこれを認め得るところであり、成立に争のない甲第三、四号証の各一乃至三によると、別紙第一物件目録記載の建物は控訴人一行の所有名義、第二物件目録記載の建物は五十嵐一英の所有名義として、いずれも昭和十七年五月無申告建築同年十月十九日賃貸価格決定昭和十九年六月一日家屋番号分割決定がされたものとして家屋台帳に登載されたことが認められ、その後右一英が昭和二十三年五月十八日死亡し、母ハルにおいて相続したこと及び昭和二十三年十二月二十五日右第一物件目録記載の建物につき控訴人一行の所有名義、第二物件目録記載の建物につき右ハルの所有名義で所有権保存登記がされたことは、いずれも当事者間に争のないところである。

しかし控訴人一行が分家した際五十嵐政吉から控訴人一行に対し別紙第一物件目録記載の建物を、一英に対し第二建物目録記載の建物を、それぞれ贈与してその所有権を移転した事実については、原審及び当審証人五十嵐一也、浜崎善三郎、佐々木芳一、原審証人根本正尾の各証言に対比すると、原審及び当審における控訴人一行並びに当審における控訴人テル子各本人尋問の結果は採用し難く、他にこれを認めるに足る証拠はない。尤も右建物賃貸借契約の賃貸人名義が昭和十七年八月政吉から控訴人一行及び一英名義に変更された点及び右家屋台帳記載の点からみると、当時右建物がそれぞれ控訴人一行及び右一英の所有に属したもののように見えるけれども、次の理由によりこれを認めるに足らないものである。即ち乙第三、四号証、第六号証、第十号証の二、五、六、第十一号証の二、第十三号証の一の各控訴人一行名下の印影が同一であること及び乙第三号証、第五号証、第七号証、第十号証の一、三、四、第十一号証の一、第十三号証の二の各五十嵐一英名下の印影が同一であることは控訴人の争わないところであり、右乙第三号証を除くその余の各証が作成名義人である控訴人一行又は一英によつて作成されたものであることは控訴人等の否認するところであつて、原審及び当審証人五十嵐一也、浜崎善三郎、佐々木芳一の各証言、原審及び当審における控訴人五十嵐一行の供述の一部を綜合すると、五十嵐政吉は前示建物建築後その管理、磐城炭礦株式会社に対する賃貸、賃料の取立等をしていたが、右会社に対し昭和十七年八月以降右賃貸人名義を別紙第一物件目録記載の建物につき控訴人一行名義に、第二物件目録記載の建物につき一英名義に変更されたい旨願出で(乙第三号証)、昭和十七年八月十三日控訴人一行及び一英の賃貸人名義をもつて右会社との間にそれぞれ賃貸借契約書を作成し(乙第四、五号証)、控訴人一行及び一英名義をもつて家屋台帳上それぞれ同人等を所有者とする申告をしたもので(乙第十一、十三号証の一、二、甲第三、四号証の各一乃至三)、これらの賃貸人名義の変更、賃貸借契約書の作成、家屋台帳の申告等はすべて政吉が単独で取計い控訴人一行も一英も政吉の妻ハル及び長男一也も当時これを知らなかつたものであること、右賃貸人名義の変更後も依然政吉が従来と変りなく賃料の取立その他の折衝に当つていたもので控訴人一行及び一英において自らその衝に当つたことがないこと、右会社においても右建物の実質上の所有者は依然政吉であると信じ同人とのみ交渉していたことを、いずれも認めることができる。原審及び当審における控訴人一行及び当審における控訴人テル各本人尋問の結果中右認定に反する部分は採用しない。他に右認定を左右するに足る証拠はない。これらの事実に徴すると、前示賃貸人名義の変更及び家屋台帳記載の点から、従つて前示当事者間に争のない所有権保存登記存在の事実からも、このことから直に控訴人等主張の建物贈与による所有権移転の事実を認めるに足らない。又成立に争のない甲第五号証の一、二、第六号証の一乃至六によると右建物に対する税が控訴人一行又は一英名義で納付されていたことが認められ、原審及び当審における控訴人一行本人供述によると、右建物の賃料の一部が控訴人一行の学資に充てられていたことが認められるけれども、これから直に右建物贈与の事実を認めるに足らない。却て右に採用した各証拠を綜合すると、右建物は五十嵐政吉の所有に属し、右建物の賃貸人名義が政吉から控訴人一行及び一英名義に変更され、又右建物の所有名義が家屋台帳上同人等の所有名義に登載されても、依然政吉が右建物の実質上の所有者として万事これを処理していたものであることが認められる(なおその後政吉が右建物を被控訴会社の前身である磐城炭礦株式会社に売渡したことについては反訴について判断するとおりである)。よつて右建物の所有権が控訴人等主張のように政吉から控訴人一行及び一英に贈与により移転されたことを前提とする控訴人等の主張も、その余の争点につき判断するまでもなくその理由がない。

よつて控訴人等の本訴請求はいずれも失当である。

次に反訴について判断する。

(一)  先ず控訴人等本案前の抗弁につき案ずるに、被控訴人は反訴について附帯控訴を提起したものであるが、記録に徴すると本訴とは第一審である原審において一個の判決で裁判(本訴反訴共に請求棄却)されたものであることが明であるから、控訴人等の本訴についての控訴提起により右一審判決の全部につき移審の効力を生じたものというべく、従つて被控訴人は反訴について控訴を提起しなくてもなお控訴された本訴についての口弁論の終結に至るまで反訴については附帯控訴を提起して不服を申立て得るものというべきである。よつて右抗弁はその理由がない。

(二)  本案につき案ずるに、反訴に関係のある事実関係につき前示本訴についてした判断はすべてここに引用する。かように別紙第一及び第二物件目録記載の建物は実質上五十嵐政吉の所有であつたところ、前段認定の事実及び当審証人浜崎善三郎、佐々木芳一の各証言により政吉が一行又は一英名義をもつて作成したものと認められる乙第六、七号証、第十号証の一乃至六、原審及び当審証人浜崎善三郎、佐々木芳一、原審証人根本正尾、永久保作馬の各証言を綜合すると、政吉は前示磐城炭礦株式会社に対し右建物の買取方を再三懇請した結果、昭和十八年八月三十一日右第一物件目録記載の建物は控訴人一行名義をもつて、第二物件目録記載の建物は一英名義をもつて、政吉から右会社に対し政吉申出の価格である代金合計金八千六百四十円でこれを売渡し、当時右会社において代金の支払を了したことが認められる。原審及び当審における控訴人一行本人の供述中右に反する部分は採用し難く、甲第一号証の一乃至三、第五号証の一、二第六号証の一乃至六によつても右認定を左右し難く、他に右認定を左右するに足る証拠はない。その後右会社が入山採炭株式会社と合併して昭和十九年三月被控訴会社が設立されたことは当事者間に争のないところであるから、これにより右建物所有権は被控訴会社において承継取得し現に実質上被控訴人の所有であることが認められる。

(三)  控訴人等は被控訴人は右建物につき、登記を経由していないから、第三者である控訴人等に対し右建物の所有権を主張し得ない旨抗弁するから案ずるに、右建物につき被控訴会社所有名義の登記の存しないことは当事者間に争のないところである。しかし民法第百七十七条の不動産に関する物権の得喪変更の登記の欠缺を主張し得るいわゆる第三者とは、右登記の欠缺を主張する正当の利益を有する第三者を指称するのであるから、右登記の欠缺を主張する正当の利益を有しない第三者は、登記の欠缺を主張してその権利を争い得ないことはいうまでもない。本件につきみるに控訴人一行は別紙第一物件目録記載の建物につき、控訴人等の被相続人である五十嵐ハルは第二物件目録記載の建物につき、いずれもその所有権保存登記を経由しているのであるが、控訴人一行及び五十嵐一英の相続人である右ハル及びハルの相続人である控訴人等において実質上何等の権利をも有するものでなく、却て被控訴人がその実質上の所有者であることは、前段認定に徴し明である。かように不動産につき何等の権利もなくて登記簿上の名義人になつている第三者(その相続人も含むことは後段判示のとおりである)は、実質上の所有者から右登記の抹消又は移転を請求される立場にあるものであるから(なおこの点につき後段説明参照)、かような者は登記の欠缺を主張する正当の利益を有する第三者に該当しないものというべきである。従つて控訴人等は右建物につき登記を経由していないことを理由として被控訴人の右建物所有権を争うことができないものである。よつて右抗弁は理由がない。

(四)  被控訴人において控訴人等に対し被控訴人主張の建物所有権の確認を求める利益の有無につき案ずるに、被控訴人は控訴人等に対し右建物の登記を求める給付請求をもしているけれども(この点は次に説明するとおりである)、元来控訴人等は右建物所有権の存否を争つているものであることは控訴人等の主張によつて明であるから、被控訴人が同一訴訟において右給付請求と同時にその給付請求の当否を決する先決的事項である権利の存否につき確認を求めることは、その確認を求める利益ありというべきである。よつて被控訴人の右確認請求は理由がある。

(五)  被控訴人から控訴人一行に対し別紙第一物件目録記載の建物につき、控訴人等に対し第二物件目録記載の建物につき、各その所有権移転登記手続を求める給付請求の当否につき案ずるに、控訴人一行及び五十嵐一英、従つて一英の相続人である五十嵐ハル及びハルの相続人である控訴人等において右不動産につき実質上何等の権利をも有するものでなく、被控訴人がその実質上の所有者であること、しかるに登記簿上右第一物件目録記載の建物は控訴人一行名義に、第二物件目録記載の建物は控訴人等の被相続人五十嵐ハル名義に所有権保存登記がされていることは、いずれも前認定のとおりである。かように実質上の権利なくして登記簿上の所有名義人となつている者は、実質上の所有者に対しその所有権の公示に協力すべき義務があるから、実質上の所有者は所有権に基き右所有名義人に対し、その登記の抹消に代え所有権移転登記手続を求め得るものというべきである(大審院昭和十六年六月二十日言渡判決、判例集第二十巻八百八十八頁参照)。尤も右第二物件目録記載の建物の登記簿上の所有名義人五十嵐ハルはその後死亡したのであるが、その相続人である控訴人等において未だその相続による所有権移転登記を経由していないことが窺われ、右相続登記を経由した後でなければ右物件に対する控訴人等から被控訴人に対する所有権移転登記手続を直に実現することができないことは明であるけれども、登記名義人の相続人はその相続により登記名義人の地位を実質上承継するものであり、仮に相続人においてその相続登記をしなくてもその債権者において代位して相続登記をし得るものであるから、その相続登記完了前であつても、登記名義人の相続人に対し登記名義人の負担すべき前示登記上の協力義務の履行を求め得るものというべきである。よつて控訴人一行は被控訴人に対し別紙第一物件目録記載の建物につき、控訴人等は被控訴人に対し第二物件目録記載の建物につき各所有権移転登記手続をすべき義務がある。よつて被控訴人の右登記手続の請求はその理由がある。

よつて被控訴人の反訴請求はすべて正当である。

以上により原判決は右認定の範囲において本訴につき相当であり反訴につき不当であるから、民事訴訟法第三百八十四条第三百八十六条第九十六条第九十三条第九十二条第八十九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 村木達夫 檀崎喜作 細野幸雄)

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